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編集局からの手紙「情報操作」:片山通夫

 暑い日が続いている。こんな暑い日には怖い話をしてちょっと涼しくなりたい。話というのはこうだ。ある雑誌から筆者に電話があった。
 「ちょっと、頼みたいのだけど」「何でしょう」
電話の向こうで、常になく遠慮がちなものの言い方が聞こえてくる。
 こんなときは要注意だ。「やばい話?」、「ええ、まあ」
 要は写真が二枚ある。その写真二枚を合成しろというのだ。この雑誌は、いわゆる硬派で鳴らしている。何に使うのかは知らないし、聞かなかったが、「だめだめ、そんなこと出来ない」といって、きっぱり断ったことは言うまでもない。

 怖い話でない?いえ、これはとても怖い話なのだ。写真を合成するということは「ウソの世界、虚構の世界を作る」ということなのだ。たとえばソ連時代や中国革命直後などで、活躍した人物が、のちに失脚したということがままある。そんなとき、以前の写真からも、失脚した人物を消し去るという暴挙がなされていた。

 つまり「あったことがなかったこと」に、「なかったモノがあったことに」してしまうのだ。一人の人物の歴史を抹殺し、その国の歴史を歪曲する。そのために写真が利用される。ジャーナリストが荷担する、もしくはさせられる。

 ジャーナリストは常にそんな危険と隣り合わせに棲んでいる。カメラマンもそうだ。このような誘いには常に「結構高額の報酬」が用意されている。口封じという意味の。これが陥りやすい罠。それを見た読者はそれが「事実、あったこと」と信じる。

 最近の筆者自身の体験はこの程度のものだったが、もっと怖い話がままあるように思える。たとえば「自由な質問のできない記者会見」や「官庁の発する情報をうのみにして垂れ流すシステムの記者クラブ制度」など枚挙にいとまがない。前者では、記者会見の質問はほとんどの場合「あらかじめ決められている」のが普通だ。それ以外の質問は「許されない」のだ。また「記者クラブを通じてしか」首長に対してインタビューできないシステムが出来上がっているようだ。役所の広報課などは「インタビューは記者クラブを通じてください」という。冗談でしょう。そんなことをすれば「他社に筒抜け」なのに。日本のマスコミは護送船団方式。

 情報操作の怖さはなにも独裁政権だけの専売特許ではないという怖い話。
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[C4] 幽霊空間

そうですか。合成写真はこうして作られているのですか。幽霊のおでましより怖い。人間が人間をだましている。足があり手もある人間が透明な空間で嘘人間の溜まり場を作っている。足のない幽霊よりもっと怖い。人間の悪知恵は無限に拡大しているのだろうか。普通に暮らしているものは分からない世界です。
  • 2008-08-19 07:37
  • チョンヨンスン
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Author:michio_k
サハリン残留朝鮮人の生活をライフ・ワークに、ビデオ、写真、文章など、あらゆるツールを使って記録しているフォト・ジャーナリスト。