609studioAnnex
フォトジャーナリストの眼
記事検索
Entries
編集局からの手紙「アイヌの道」:片山通夫
考えることがあって、秋の一日、
国立民族学博物館
(大阪・吹田)に、アイヌ民族に関した展示を見に行きいたく感動した。北海道がまだ「蝦夷地」と呼ばれていた頃、アイヌ民族は、北海道のみならず、樺太(サハリン)、千島にも住みその行動半径はとてつもなく広いことを知った。決して熊や鮭を獲るだけの生活ではなかったのだ。
彼ら、アイヌ民族の生活の営みの中の一つに「山丹交易」と呼ぶ歴史がある。シベリアの東端、アムール川がオホーツクに注ぎ込むあたりに住んでいたウリチ族を主としてニブヒ、オロチ族などのいわゆる山丹人と樺太アイヌ人との交易を指す。この交易が朝貢交易で中国・清朝がシベリアや樺太にまでその勢力を伸ばしていたことを示している。清朝は中国で需要の多いテンの毛皮を得るためこの地域の人々に毛皮貢納の義務を課し、貢納に来た者には、中国製の衣服装身具、鉄製品、食料などを与えた。こうして手に入れた清朝の品々は、山丹人を通じて樺太アイヌから北海道アイヌに伝わり、当時「蝦夷地(の一部)」をその領土としていた松前藩が江戸にまで持ち込んだ。その中に「山丹錦」があり江戸では珍重されたという。
筆者は国立民族学博物館で「山丹錦」で出来た服を見た(写真・2枚とも)。華麗にして豪華なもので、この服がどんな人たちの手を通してわが国にもたらされたのか非常に興味を持ったわけである。文字を持たない民族、アイヌの歴史は記録が残っていないだけに闇に包まれた部分がある。
一方、アイヌ語が語源となるあらゆる地名が、北海道に残っていることも事実である。たとえば札幌なども、サッ・ポロ=かわいた広い場所という意味を持つらしい。他にいくつか挙げてみる。稚内 はワッカ・ナイ=飲み水が豊富だった沢。十勝はトカプ=空が明るい、よく晴れる場所。礼文はレプン=沖を意味する。
徳川幕府による鎖国時代に、山丹交易はいくつもの民族の手によってもたらされ、シベリアそして樺太を通って江戸にまで交易品をもたらしたという「アイヌの道」はとても興味深い。無論、北海道に残るアイヌ語の地名の町や村々を歩き、先住民族であるアイヌ民族が名付けた「アイヌの道」を筆者なりに経験してみたいものである。幕末の
松浦武四郎
には及ぶまいが、彼が書いたような壮大な「ルポルタージュ」を書くという夢を持ちたいものである。
@
2008-11-25
ジャーナリスト・ネットから
コメント : 0
トラックバック : 0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/tb.php/191-d5b3d678
トラックバック
コメント
コメントの投稿
コメントの投稿
T
itle
N
ame
M
ail
W
eb
C
omment
P
assword
N
o
t Display
管理者にだけ表示を許可する
«
ホーム
»
Appendix
Language
カテゴリ
備忘録 (84)
ボクの散歩道 (42)
電波は世界を駆けめぐる (21)
酒と女と写真機と (22)
コラム (49)
ジャーナリスト・ネットから (70)
ニュース (11)
新高麗(セコリョ)新聞 (43)
小説「ムンバイに消ゆ」 (105)
最新記事
OlympusPenというカメラ その1 (01/18)
金は権力に付いて回る (01/08)
筆者にとっては大ニュース!! (01/02)
ワッチ専門?! (01/01)
あけましておめでとうございます。 (01/01)
QRPとアンテナの悩み (12/24)
QSLカードというものを作る。 (12/22)
こちらJO3TXK (12/21)
御堂筋イルミネーション (12/21)
いささか古い話ですが・・。 (12/18)
まさか!?? (12/13)
やっと順調に・・・。 (12/09)
昨夜、九州エリアと・・・。 (12/08)
ああ無情・・・。 (12/07)
毎日+共同+同加盟地方紙=? (12/02)
リンク
片山通夫の「取材手帖」
609studio
コーヒーブレイク_アーカイブス
セコリョ新聞(原文)
ユジノサハリンスク・Webカメラ
著書販売
ジャーナリスト・ネット
ブログ「かわやん」
鄭容順の直言
「ジャーナリスト同盟」通信
不定期刊ZUBORA
映像と文化通信
釧路・北海道からの便り
片瀬五郎の京都から
今西雅文のページ
思考する読書
管理画面
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS
最新コメント
こくう:OlympusPenというカメラ その1 (02/05)
片山通夫:ああ無情・・・。 (12/21)
ken:ああ無情・・・。 (12/08)
スッチ・ジェーラ:古今東西「わんぱく通信から」:片山通夫 (04/11)
k.Ishikawa:「小心者のおののき」:片山通夫 (03/30)
片山通夫:コラム「歴史に学ぶ」:片山通夫 (03/04)
k.Ishikawa:コラム「歴史に学ぶ」:片山通夫 (03/04)
最新トラックバック
QRコード
月別アーカイブ
2010/01 (5)
2009/12 (10)
2009/11 (6)
2009/10 (9)
2009/07 (6)
2009/06 (6)
2009/05 (9)
2009/04 (24)
2009/03 (55)
2009/02 (17)
2009/01 (51)
2008/12 (61)
2008/11 (66)
2008/10 (49)
2008/09 (44)
2008/08 (29)
プロフィール
Author:michio_k
サハリン残留朝鮮人の生活をライフ・ワークに、ビデオ、写真、文章など、あらゆるツールを使って記録しているフォト・ジャーナリスト。
コメントの投稿