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コラム「風」サハリンの秋:片山通夫

 東京や大阪ではまだ残暑が厳しい9月だが、サハリンは既に秋の最中といえる。そして9月といえば「対日勝利の日」。サハリンでは第二次世界大戦は9月3日に終わった。ことの是非はともかく、いわゆる北方領土(南クリル)をソ連が手中に収めたのもこの直前。

▲サハリンではこの日は今も大々的に祝う。ユジノサハリンスクで発行されている韓国語新聞・新高麗(セコリョ)の記事は次のように書く。「9月3日は南サハリンとクリル列島が軍国主義日本から解放され、第2世界大戦が終了した日。この日の昼12時半にはユジノサハリンスク市内のスラヴァ広場で献花と民衆集会が、夕方7時には花火打ち上げられる。この他にも展示会など多様な記念行事が開催。(8月29日号)

▲いわゆる大祖国戦争(ロシアではこう呼ぶ)に参加した兵士もこの集会に出席する。戦争中に、または終戦後に受けた勲章を誇らしげに胸に飾って。そしてロシア人はサハリン州に属する南クリル(北方領土)は「自分たちの血であがなった」と再び自覚する機会だ。

▲この日を境に短い夏が終わってサハリンは秋が深まる。秋が深まると、たちまち晩秋が訪れて山は黄色く色づく。そして数日の後には雪が降り始めて、長い冬が始まる。冬になるとすべてが凍てつく。道路は無論のこと、家々の窓も、野山も。
 今サハリンの人々は去り逝く夏を惜しんでいる。寒さに耐え忍ぶ冬を目前に。
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Author:michio_k
サハリン残留朝鮮人の生活をライフ・ワークに、ビデオ、写真、文章など、あらゆるツールを使って記録しているフォト・ジャーナリスト。